PINARELLO DOGMA F10 試乗会

2017年3月9日

ピナレロジャパンさんのお招きで,

話題の最新鋭バイク、DOGMA F10のディーラー向け試乗会に行ってまいりました(千葉県・フレンドリーパーク下総。ご存知の方も多いと思います)。

既にオフィシャルページがアップされていますので、詳細はこちらをご覧いただくと良いと思います。

ピナレロの今までのフラッグシップは言わずと知れたDOGMA F8。ピナレロのハイエンドバイクで歴代最多販売を記録したというDOGMA F8の次のモデルとあって、いやが上にも期待が高まります(ちなみに、なぜF9ではないのか?とよく聞かれるそうですが、DOGMA F8の軽量版、 DOGMA F8 X-LIGHTがDOGMAシリーズの9代目だから、とのことです)。

TEAM SKYカラーのDOGMA F10

ドット(点)があしらわれたカラー

会場では、DOGMA F8,DOGMA K8,そしてGAM RSといった、他メーカーではフラッグシップとしても充分通用ようなハイクラスのバイクも用意され、乗り比べてぜひその違いを体感してください!と、引き立て役として使われるという、何とも贅沢な試乗会なのでした。それだけDOGMA F10の性能には自信がるという事でしょう。

以下、F10を中心に試乗した車種のインプレッションを簡単にご紹介します。

DOGMA F10(デュラエース9100/racing zero仕様と9100/racing zero carbon仕様の2台)

このカラーは試乗車限定で、販売用カラーではありません

まずは、際立つ軽さ。
重量もさることながら、入力に対する反応の速さが、もはや異次元(ペダルへの入力であったりハンドルへの入力、体重移動による挙動の変化など)。

後述するセカンドグレード、GAN RSもまたハイグレードな素材を使用し、DOGMA F10に近いフォルムを持つ優れたバイクですが、やはり切れが一味違います。
反応の速さを例えるなら、そうですね、、、機械式変速機と電動変速機との対比、とでも。
それくらい違った印象でした。

そして空力特性。DOGMA F8で研究されたエアロ効果を更に洗練。
たまたま風があったこの日、1回目の試乗を終えてピナレロジャパンの方と話していたら「風が抜ける感じしません?」と言われ、そういえば、、、と思い2回目の試乗。

うむ。。。なんか先入観が入った感じもするが、確かに。。。

向かい風区間のコーナーを抜け風向きが変わった一瞬、あ、バランスが崩れる、と感じても、例えばやじろべえがバランスを保つように、すぐに姿勢が元に戻る感覚があるような気がしました。まるで制御装置でもついているかのよう(ちょっと言い過ぎか。BBの低い設計もあると思います)。

O脚のような独特のフォークですが、小型のフィンが付いていたり

 

F8からさらに進化して、見事に風が車体を押してしまう前にすり抜けて行ってしまう。
そんな印象です(先入観!?いや、でも確かにそんな感じが、、、)

とにかく、まるでバイクが「もっと走れ!」と言ってくるような感じがして、夢中でペダルを回していました。ライダーをその気にさせてくれる感覚、そして、何より乗っていて楽しかったですね。
とにかく、すごいバイク。

ちなみに、剛性感については言わずもがな。当然高いです。
が、最後に比較のため試乗したF8よりも、振動の伝わり方が少し優しく感じました。同じグレードのカーボンを使いながらも、積層やプリプレグ(カーボン繊維に樹脂を含浸させてシート状にしたもの)を変えた結果なのでしょう。
カーボンは、奥が深いのですね。

DOGMA K8(DURA Ace,racing zero)


F10の後に乗ったので、少し反応が緩く感じたものの、それは剛性が低いということではなく、F10より少し長いホイールベースによるものと思います。
試走時にたまたま速い人と一緒になり、ハイペースをずっと維持されたのですが、スピードをガッ!っと上げられたとき、追いかける時の反応が、F10よりも少し大人しいかな、という感じです。
でも長い時間を走るレースなら、これくらい直進安定性があった方が、終盤楽なような気はします。

GAN RS


今回の試乗会では、このバイクでさえF10を立てるための比較対象なのか、と少し遺憾に思うくらい、良いバイクでした。
2017のラインアップの中には、同等グレードのカーボンを使用した人気の「PRINCE」もありますが、違いは?と聞かれれば、今後は「風の抜け方!」とお答えすることにします。
やはり、今のピナレロの形状は以前のものと比べたら風が抜けていく(特にO脚みたいなフォーク部分)感じがします。洗脳されたのだろうか、、、
F10のところでも書いたのですが、全てがキレッキレッ!のF10(F8もですね)に比べると、キレがよい!位の感じになります。
でも充分素晴らしいです(値段ももちろん高いハイエンドバイク。今回は比較する相手が悪すぎです)。

DOGMA F8(レコードEPS,シャマル)


反応の良さはF10と変わらないと思いましたが、コツコツと路面の振動をよく伝えてくる感じがしました。
ホイールはシャマル。F10に付いていたレーシングZEROよりは幾分乗りやすい印象になるだろうと予想していましたが、そうではありませんでした。
F8に関しては、以前のテストライドの時とほぼ同じ印象。キレッキレのレーシングバイク。
ピナレロの中では、ハイエンドバイクで歴代トップの販売台数を記録したそうですし、ツールでも優勝しているので、間違いなく歴史に残る名車となるでしょう。

ちょっと前(2008-2009シーズンだったでしょうか?)、プリンスカーボンが
世界的にヒットして、そのあと私も乗っているDOGMA 60.1が出てきた時と状況が似ている気がします。
やはりカチカチの高剛性だったプリンスに対して、高剛性ではあるけれどちょっとタメのようなものを感じられたDOGMA60.1。

F8とF10の違いとしてはF8の軽さとか反応の良さをそのまま踏襲しつつ、少し落ち着きを与えられたのがF10という印象を受けました。かどが取れた、なんて表現でしょうか。
F10とF8のどちらが良いのか?ということになると、F8もまだライナップにありますし、この辺りはお好み、ということになると思います。

受注開始は3月下旬辺りからの予定ですが、詳細が分かりましたらまたブログでアップさせていただきます
また今後は、ピナレロジャパンでも試乗車を販売店に貸出して頂けるようになるので、皆様にも機会をつくって是非乗って頂きたいと思います。

その際にはまたお知らせいたしますので、お楽しみに!!

(樗沢)